新人研修







「あっ・・あぁ・・ん・・・っ・・」



 電車の中で、幾本もの手が猿野の身体を探っていた。



「ふ…ぇ…」



 猿野は身動きすらできない車内で、涙を目にいっぱい湛えながら、それでも声を殺した。

 誰が、何人が、自分の身体を触っているのか分からない。

 上司に言われた。


 『明日の7時12分、大宮発、湘南新宿ライン』


   その言葉で、猿野は今日起きることは大体予測していたつもりだった。



 (でも、まさか、こんなのって…)



 唇を噛んで俯き、猿野はかろうじて声を抑えた。

 出勤用のYシャツの中に差し込まれた手は、猿野の乳首を探り、ゆるゆると弄んでいる。

 乳首を弾く手の周りから更に数本の手が、まるで女の胸を揉むかのように猿野の胸を撫ぜる。

 瞑っていた目を開くと、無慈悲にはだけられたYシャツの胸部分が見えた。

 Yシャツは上から、下から手を入れられていた。



 (なんで…オレが……どうして…)



 敏感な首筋に唇を這わせられ、猿野はそう思わずにはいられなかった。  


 身体が、理性とは反対に熱くなる。



 (知らない奴に…オレは……こんなことされて……抵抗もしない、なんて……)



 自分を不甲斐ないと思えば思うほど、身体の疼きは大きくなっていった。


   猿野の下半身では、胸より更に多くの手が猿野の腰の周りを這い回っていた。

 スラックスのチャックを開け、ボタンを外し、悠々と入り込んできた手は、それぞれが思い思いの動きで猿野の尻や、太腿を撫で回していった。



 (こんなの…やだ…)



 せめてもの抵抗として、猿野は両足を両脚をぴたりと閉じていたが、その抵抗も、電車がカーブに差し掛かれば、意味を成さなかった。



 「あぁッ…!!!!」



 大きく電車が傾いたと同時に、無数の手は猿野の太ももを割り開き、猿野の最も敏感な中心部を、下着越しに握った。



 「あ…ンんッ!!」



 腰を引いて逃げようとするも、痴漢の指が猿野を私を逃す訳はなかった。


 むしろ、猿野の抵抗をあざ笑うように、スラックスを下ろし、猿野をトランクス一枚にして、辱める。

 猿野のチェック柄のトランクスは、群がってきた痴漢たちの手で破けそうなほど盛り上がっていた。



 (でも、まだ、直接は、触られていない)



 猿野は健気に眉を寄せ、下着越しの愛撫に、必死に耐えた。  

だが、直接触られない分、身体の疼きも、開放を見ることはない。  

それが分かっているのか、痴漢の手は、指は、猿野の股間をなぞるように執拗に嬲り始めた。



   「はッ……あぁっ…!!!」



 猿野は、徐々に声を抑える事が出来なくなった。

 その声に猿野の限界をみたのか、さらに大胆に、痴漢の手は下着越しに猿野の股間を擦り上げる。  

猿野の股間は、すでに限界まで張り詰めていた。



 「やめて……やめてください……」



 猿野は、身体が反応しているのが恥ずかしくて堪らず、顔を上げられないまま、何度も小さな声で繰り返した。

 直接、痴漢に抗議をすることは、できなかった。

 痴漢の手に、指に、確かに猿野は感じていた―それも、おかしくなるくらい。

 それが、猿野には堪らなく恥ずかしかった。

 猿野は小さく首を横に振りながら、俯くことしかできなかった。


 だが、猿野の弱い抵抗に、かえって嗜虐心がそそられたのか、痴漢の行為はさらにエスカレートした。

 トランクスの隙間から、指を進入させてきたのだ。



 「それは…やめッ!!!」



 その手を払いのけようとしたが、他の痴漢が猿野の抵抗を封じた。


   痴漢に両手手首をとられ、また他の痴漢に抱きしめられる格好になった。



 多分、痴漢は4人なんだと思う。



 それぞれが、それぞれ意志をもって、猿野の身体を弄ぶ。



 猿野は、堪らなかった。  

屈辱と、快楽の両方で。









 猿野はトリィサンという会社の新入社員だった。


 トリィサンは、学生結婚をした妻の、兄がやっている会社だった。

 猿野はあまり知らなかったが、トリィサンは一流企業。

 そこにコネ入社をした猿野を気に入らない者は、大勢いた。

 だが、猿野はなんとかなる、と思っていた。

 実力で認めてもらおう。そう思い、資格も同期より多く取り、誰よりも早く出社し、誰よりも遅くまで会社に残り、多くを学ぼうとした。


 その甲斐あって、次第に周囲の視線は和らいでいった。

 そんな中、新人研修が終わり、猿野も部署に配属されることになった。



 『特別親交課』



 それが、猿野の配属先の名前だった。













   「あぁあッ!!!!」



 自身の敏感な亀頭を、掬うように撫ぜられて、猿野は思わず声を上げた。



 恥ずかしかった。

 もうすでに濡れそぼっている。

 そのことは、猿野自身がよく知っていた。



 「はぁ…ぁん…あぁ……!!」



 股間を弄られながらも、乳首への愛撫も、やまなかった。



 猿野が声を出し乱れると、左右の首筋に這っていた唇が、耳元で息を吹きかけるように囁いた。



 「なーに知らない人の手で感じちゃってんの。」

 「本当、発情猿だな」



 耳元で痴漢に声をかけられ、猿野はハっとした。



 (―この声…!!)



 よく耳慣れたこの声は、猿野の所属する「特別親交課」の、同期の、声だった。



 「芭唐…と…犬飼………?」



 「そ。ぜーんぜん気付いてくんねーんだもん。寂しかったぜぃ?」



 名前を呼ぶと、からかうように、耳に舌を入れられた。

 芭唐の行為と分かり、猿野は一層乱れた。



 それを犬飼は面白くなさそうに舌打ちし、猿野の乳首をギュっと抓った。



 「やめッ!!乳首…いやぁァ……!!!」



 「今さら,清純ぶるんじゃねーよ。本当は、こうやって触られるのが好きなくせに」



 「わかってるんだぜ?天国が今、どんなに感じてんのか…。
 ほら、首筋まで真っ赤にしちまって。 ほんと天国イヤラシーな」



 「乳首も…こんなに硬くしちまって。誘ってんだろ」



 左右からの言葉攻めに、猿野の我慢はもう限界だった。

 無意識に腰を揺らすと、股間をぎゅっと強く握られた。



 「猿野、オッレをわすれてんじゃねーか?」

 「上司ほっといて部下と遊ぶなんTe、いいご身分じゃねーKa」



 「獅子川先輩…虎鉄…先輩ッ!」



 後ろは獅子川、前は虎鉄、右は芭唐、左は犬飼。



 四方から、猿野の良く知る声で、手で、猿野は乱されていった。



 「へッ……可愛い顔して、随分感じてんじゃねーKa!」

 「違うって?でもココは、だんだん濡れてきたみてーだッぜ?」

 「へぇ、ココを触られるの、そんなにイーのか」

 「ほら、バカ猿、脚…開け」




 口々に猿野を辱め、4人はトランクスの中に手を入れてきた。



「てめーのトランクス、びしょびしょだッぜ?」

「こんなにヌルヌルしTe・・・イヤらしい身体だNa」

「天国は、無理矢理されるのが好きなんだよな。こうやってよ…」



 猿野を押さえ込んで8本の手が服の中で猿野の全身をまさぐる。



「ち…違ッ…!! だから、も…やめ…」



 同僚の言葉に口では否定しながら、猿野の身体は淫らに踊っていた。

 たくさんの手の愛撫に、猿野の身体がイヤらしく撓る。



 「…ひゃぁッ!」



 電車の揺れに便乗し、獅子川の手が、猿野の禁断の蕾にかかった。



  くちゅっ・・・



   猿野がその音を聞くのと、猿野の身体が跳ね上がるのは同時だった。



 「…やめッッ!!!!」



   思わず叫び声を上げる猿野の口を、虎鉄と犬飼の大きな手がふさぐ。



 「大きな声だしちゃ、聞こえちまうだRo?」

 「悦んでるいい音、出てんじゃねーか」



 獅子川と、芭唐は、くちゅくちゅとわざと音を立てて猿野の蕾を嬲った。

 猿野の小さな入り口を、こじ開けるようにして指が入ってくる。


 だが、愛撫ですっかり解されていたそこは、意外なほど抵抗もなく、節だった指を飲み込んでいく。







 猿野は、いつもパソコンを操作している同僚の指を思った。



 (あの、繊細だが男らしい指が、オレの中に入ってる――)



 形、関節までを如実に猿野は思い出し、猿野は快楽によがった。





   「あぁああッ!!!」





 (気持ちいい。)





   もう、抵抗よりも快楽しか追いかけられず、知らず猿野は腰を振っていた。



 「Oh、素直になったNa」

 「っすね。虎鉄先輩、ご褒美あげますか」



 後ろを芭唐と獅子川に弄らせたまま、虎鉄は猿野の最も敏感な部分を撫で回す。



   「あぁあん……!」



   犬飼が、途端、またも跳ね上がった猿野の身体を片手で押さえたまま、Yシャツを捲り上げ、裸の胸に吸い付く。



 獅子川と芭唐は、指の動きをさらに早め、後ろから猿野を貫いた。



 ――もう、ダメだ――



 乳首を吸われ、男の敏感な部分を撫ぜまわされ、奥を指で犯され、猿野はもう、狂おしいほどの快感に身をくねらせるしかなかった。



 「あああぁっ!」







獅子川が大きく指を抜き差をする。

 芭唐の指が、猿野の前立腺を擦り上げる。

 虎鉄が、敏感な裏筋をなぞる。

 犬飼が、乳首を強く噛む。



   (も……限界だ……!!!)



 「いいぜ、天国。イっちまえ。」



 猿野の身体が、硬直した。











   「あぁぁあああぁッッッ……!!」











 猿野は大きく叫び、馴染み深い胴震いの後、同僚に身体を預けたまま、思い切り、精を放った。

















 「猿野、なかなかイイ声だったZe☆」

 「久ッしぶりに、オレも興奮しちまった」

 「天国エロすぎっしょ?てか、好きだよなこういうの」

 「とりあえず、俺らのもどーにかしろ」



 電車を降りても、4つの声が更に猿野を嬲った。



   4人に引きずられるようにしながら、猿野は息も絶え絶えに、出社した。




フロアにつくと、猿野は机に座らされた。

そのまま、大きく脚を開かされる

 (ああ、またか。)



猿野は諦めたように、目を瞑り、次にくるであろうことに備えた。
 ”特別親交課”の日常の、はじまりだった―――。



















 これ、ツイッターで晒していいんですかね?
 たぶんすぐTLから抹消します!
 ここまでお読みくださったみなさま、お疲れ様でした!!!









 2011*5*9 キイロ





end






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